社員が自分で動き出す会社は、「問いかけて待てる」

【五感思考day2880】
こんにちは!
人が自立的に動きグングン成果がでる仕組みをつくる
組織づくりコンサルタントの大図美由紀です^ ^
本日も、ブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
先日、ある経営者の方とお話をしていたときのこと。
社長
「コーチングって“質問すること”でしょ?
でもね、自分は待てないんだよねー。
社員が答える前に、つい自分が答えを言っちゃうんだよ」
こんな言葉が返ってきました。
たしかに、コーチングは“質問すること”だけではありません。
とはいえ、相手に考えてもらうために、
・こちらから答えを言わない
・指示命令をしない
・問いかけて“待つ”
これは、とても大事なポイントです。
今日は、「問いかけて、待つ」ことの凄さに、
思わず唸ってしまうエピソードをご紹介します。
あるとき、アメリカの著名な学者が来日し、
松下幸之助さんと会うことになりました。
面談が迫ったある日、松下さんは秘書に尋ねます。
「○○さんを知っているか?」
秘書はその人物を知っていたので、
「△△をしている人です」
と答えました。
松下さんは、
「そうか、わかった」
と一言。
秘書は、すぐに答えられたことに、少し誇らしい気持ちになっていました。
(いつも即答できるわけではなかったからです)
ところが翌日。
松下さんは、また同じ質問をします。
「○○さんを知っているか?」
秘書は、
「昨日のこと、忘れたのかな…」
と思いながらも、同じように答えます。
「△△をしている人です」
松下さんは、また
「そうか、わかった」。
さらに次の日も、同じ質問。
3日続けて同じことを聞かれた秘書は、
内心ムッとしていました。
「こんなにすぐ忘れるなんて、ずいぶんいい加減だな…」
そんな思いを抱えながら過ごした3日目の午後、
ふと、ある考えが浮かびます。
「もしかして、松下さんは忘れているのではなく、
自分の答えが“足りない”のではないだろうか?」
そこから秘書は行動します。
その学者の分厚い著書を、深夜まで読み込み、
朝方までかけて、30分で説明できるほどのメモにまとめ、
さらにテープに録音しました。
4日目。
また、同じ質問。
「○○さんを知っているか?」
秘書は、今度は自信をもって調べた内容を伝え、
録音テープを差し出します。
すると松下さんは、
「ようわかった、ようわかった」
と、二度も「わかった」と言い、
満足そうな表情を浮かべました。
そして5日目。
松下さんは、秘書にこう声をかけます。
「きみ、いい声しとるなあ」
秘書は、涙が出そうになるほど感激したそうです。
自分で気づき、考え、行動したことを、
ちゃんと見てもらえた――
そう感じた瞬間だったのでしょう。
ここまで辛抱強く「待つ」。
本当に、すごいことですよね。
もし、
「○○さんについて調べておきなさい」
と指示命令していたら、
“言われたとおりに動く人”は育ったかもしれません。
でも、
問いかけて、待ったからこそ、
“自分で考え、動く人”が育った。
これが、問いかけの力です。
もう一段、組織を進化させたい。
社員さん一人ひとりの力を、もっと生かしたい。
そんな経営者を、私は応援しています。
あなたは今日、どんな問いかけをしてみますか?







