問題の人を排除しただけでは組織は変わらない!
【day1110】
こんにちは!
ワクワク働きたい組織づくりパートナー、ビジネスコーチの大図美由紀です^ ^
本日も、ブログをお読み頂き、
ありがとうございます。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長は、女性蔑視と取れる発言により、辞任する方向だそうです。
女性蔑視と取れる発言は、スルーしたり、ウヤムヤにしたりすべき件ではないと思います。
それにより、傷ついた人がいるでしょうし、差別なく個人を尊重すべきだと思うからです。
また、組織の軸「オリンピック憲章」にも反するから、組織のトップの発言としてNGです。
以下、オリンピック憲章の抜粋です。
「オリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などによるいかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」
しかし、不適切な行動をした人を、ただ排除すればいいかと言うと、それでは組織は変わりません。
問題な人が、真の問題ではないかもしれない、ということです。
「システムズ・アプローチ」という考え方があります。
人は、関係性の中で生きています。
そして、お互いに影響を与えあっています。
何か問題が起こった時に、問題を起こした本人だけを原因と考えるのではなく、その人が所属する組織(システム)全体の問題として捉えてみる考え方です。
すると、まったく違った問題として見えてきます。
分かりやすいので、小さな組織、家族の事例を挙げてみます。
父親、母親、息子の3人家族が、いたとします。
ある時、息子が、学校で同級生に対して、なぐる、蹴るの暴力行為をはたらきました。
その一点だけ見ると、息子さんは、暴力的で悪い子。
だから、息子さんに対して、良い子になるように指導をする必要がある、と考えることも出来ます。
ところが、システムズ・アプローチでは、家族全体で考えてみます。
すると、父親と母親が、いつもケンカばかりしている。
結果として、息子さんが精神的に不安定な状態になっているとしたら、いかがでしょうか?
父親と母親が仲良くできるような関わりや対応が、必要になってくるでしょう。
今回の件も、不適切な発言をした森さんがいる。
しかし、そんな彼をそのままでOKとしてきた組織もあります。
また、森さんがそれを当たり前と思った歴史や周りの関わりがある。
個人だけの問題ではなく、もっと深いものがありますよね。
ですので、今回、組織委員会が、最終的にどんな結論を出すのか、まだ分かりませんが、誰かのせいにして終わりではなく、組織で、社会で、それらを話し合えるといいですよね。
オリンピック憲章の「・・・いかなる種類の差別も受けることなく・・・」とは、どういうことなのか?
それを実現してる組織とは?社会とは?
そのために、何をしたらいいのか?逆に、何はNGなのか?
そんな話合いをした上で、結論を導いていってほしいです。
こんなヨコの関係での対話が、組織におけるビジョンや価値観の浸透プロセスには、とても大切です。
このイメージですね!
対話なくして、ビジョンや価値観を、共に大事にする組織は、できないです。
対話は、めんどくさいかもしれない、遠回りに思えるかもしれない。
それでも、結局は、この対話をしっかり行うこと、繰り返し行うことが、ビジョンを実現する、価値観を大事にする、そんな組織になる近道です。
もう一段飛躍したい、社員さんをもっと生かしたい、そんな経営者を応援しています!