腑に落ちる理解は頭ではなく身体から―体罰ではなく好奇心で起こす!
【五感思考day2621】
こんにちは!
人が自立的に動き、グングン成果が出る仕組みをつくる
組織づくりコンサルタントの大図美由紀です^ ^
本日も、ブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
先日観た映画『国宝』には、考えさせられることがイロイロありました。
育成方法もその1つです。
主人公の喜久雄は任侠の家に生まれますが、歌舞伎の名門当主・花井半二郎に才能を見出され、引き取られます。
そして、花井の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友でありライバルでもあり、互いに芸を磨き高め合い、国宝へ――そんな物語です。
喜久雄と俊介2人の師匠である花井半二郎は、非常に厳しい稽古をしました。
竹刀で打ちすえ、身体に叩き込むような指導です。
痛みを伴いますが、身体で覚えたことは簡単には忘れません。
初めての大舞台で緊張する喜久雄に対し、師・半二郎は、「お前はいっぺんでも稽古せんかった日はあるか?身体が勝手に動いてくれる」と励まし、送り出しています。
そして、喜久雄は見事に舞台をやりきります。
身体で覚えたことは、頭で覚えたことより、忘れにくく、いいパフォーマンスを発揮しやすいです。
日本語には「腹落ちする」「点と点が線でつながる」「共鳴する」など、身体感覚を伴う理解の表現が数多くあります。
これらは、理解が一段深いところにきた時に使いますよね。
つまり、言葉による思考の理解よりも、五感を通して理解した方が速く、確実なんです。
とは言え、身体で覚えるというと、痛みを伴う体罰的な指導法を想像しがちかもしれません。
しかし、現代の私たちは、体罰を使った指導法を肯定することはできません。
では、どうすれば安全に、前向きに「身体で覚える」方法を活かせるのでしょうか。
実は、身体で覚えるは、痛みではなくてもいいんです。
五感思考マネジメントでは、「アイディアを出す」「シミュレーションする」「決断する」「合意をとる」「連携をとる」などビジネスのさまざまなシチュエーションで、五感を活用するんです。
例えば、
そんな時は、頭の中で「どうしよう」と悩み続けません。
部屋に「過去→現在→未来」の時間軸を設定し、実際に歩いてみる。
すると、いくつかの過去の出来事と今がつながり、「未来はこうしたい!」と自然にイメージが浮かびます。
まさに、「点と点が線でつながる」を、偶然を待つのではなく、意図的に人工的に起こしていきます。
また別のケース。
これも、頭の中で「どうしたら?」と迷い続けません。
色とりどりのフセンに、頭の中にあった課題を書き出してみる。
そして、フセンで頭の中の状態を再現します。
例えば、ぐちゃぐちゃ山積みに置かれます。
この自分の頭の中の状態をフカンしてみると、「本当にやりたいことはコレだ!他は枝葉だ」と気づきます。
さらに、この山(課題の山)の先に何があるんだろう?と想像してみる。
すると、山積み課題の中しか見えていなかったのが、広い視野で自分をフカンして見ることができるんですよね!
身体で覚えるというのは、痛みを通じて無理やり身につけることではありません。
むしろ、好奇心からの体感によって、自然に腑に落ちていくことだと思います。
頭の中で言葉だけをこね回すのではなく、五感を通して外に出し、試してみる。
そうすることで人は、自分が本当に望む未来や課題の本質に、早く確実にたどり着けます。
五感思考マネジメントは、社員や経営者が自らの力を引き出すための「もう一つの稽古法」。
痛みではなく体感を通じて未来をひらく、その方法をもっと広げていきたいと思います。
もう一段飛躍したい、社員さんをもっと生かしたい、そんな経営者を応援しています!